8.UNLOCK MODEL
MODEL003 ある化学製品メーカーの憂鬱|“すごい水”が売れない理由
UNLOCK
順調に見える事業でも、なぜか次の一手だけが決まらないことがあります。
方向性は見えている。選択肢もある。それでも、最後の判断で止まってしまう。
なぜ、この状態が起きるのでしょうか?
現状の整理
環境にやさしい電解水の技術を保有
食品工場、ビルメンテナンス、工業分野などBtoBで導入実績あり
大手メーカー採用など技術的信頼性は高い
洗浄廃水の再生や排水処理の簡略化にも対応
一般消費者向け製品の展開を開始
ユーザーからは効果・用途の広さに対する評価あり
BtoC展開は手探りでノウハウ不足
普及に課題がありマーケティングだけでは突破困難
価格帯的に単純な販促では伸びない可能性
追加投資が難しく既存リソース前提での戦略が必要
なぜBtoC展開が進まないのか?
ある宮崎県の環境技術企業は、高い洗浄力と環境性能を両立した製品を持っていました。
食品工場やビルメンテナンスなどBtoB領域では実績も豊富で、大手企業にも採用されています。
しかし、新たに挑戦した一般消費者向け製品は、思うように広がりません。
効果はあると言われる
用途も広いと言われる
でも売れない
社長は考えています。
マーケティングが弱いのか、販路が足りないのか、それとも価格が問題なのか。
施策は出てきます。SNS、EC、代理店、サブスク…。
ただ、どれも決めきれず、結局止まってしまう。
これは「検討不足」ではありません。むしろ「考えすぎている状態」です。
つまり、判断にLOCKがかかっています。
RBTDESIGNの見立て
この企業の状態を整理すると、3つのLOCKが同時に起きていました。
まず「混ざり」です。
BtoBで評価されている“技術価値”と、BtoCで必要な“生活価値”が同じ土俵に置かれていました。
性能・安全性・環境配慮・価格・使いやすさ…すべてが一緒に並び、比較できない状態です。
次に「粒度の不一致」です。
「市場拡大」という大きな話と、「SNS運用」という具体の話が同列で議論されていました。
これでは何から着手すべきか判断できません。
最後に「軸の不在」です。
誰にとっての価値なのかが固定されていません。
家庭用なのか、業務用延長なのか、プロユースなのか。
基準がないため、すべてが“正しそう”に見えてしまいます。
ここでUNLOCKを行います。
混ざりを解除し、
粒度を揃え、
軸を固定する。
つまり「誰に、どの価値で、どう届けるか」を比較可能な状態に戻すことです。
次の一手
BtoCを一度やめ、BtoBtoCに再設計する
理由はシンプルです。
この製品は「説明されて理解される価値」であり、「棚に並べて売れる商品」ではないからです。
つまり、いきなり消費者に届けるのではなく、
すでに信頼関係を持っている事業者を介して届ける構造に変える必要があります。
例えば、
清掃業者
食品関連事業者
環境意識の高い施設
こうした“使い手”が、そのまま“伝え手”になる構造です。
これにより、「理解コスト」と「信用構築コスト」を一気に下げることができます。
最後に
あなたの事業にも、同じ構造があるはずです。
次の3つから、1つ選んでください。
① すべての可能性を残したまま進む
② 一度絞って、判断できる状態をつくる
③ 誰かに整理してもらう
1つ選んでください。
そして、1つだけ決めてください。
もし決められないなら、それがLOCKです。
無料診断では、そのLOCKがどこにあるかを特定します。
※注釈:LOCKとは、判断が止まっている状態。UNLOCKとは、混ざりを解除し、粒度を揃え、軸を固定することで判断可能状態に戻すことです。
本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。