記事一覧へ戻る

8.UNLOCK MODEL

MODEL004 ある製造業の憂鬱|技術はあるのに「誰にも刺さらない」アウトドアプロダクトの停滞

UNLOCK

2026/4/24 03:00

順調に見える事業でも、なぜか次の一手だけが決まらないことがあります。

方向性は見えている。選択肢もある。それでも、最後の判断で止まってしまう。

なぜ、この状態が起きるのでしょうか?

現状の整理

  • 薪ストーブや焚き火台など再生可能燃料対応製品を展開

  • 焚き火台は高燃焼効率・クリーン排気・高いデザイン性で国内外評価あり

  • アウトドア施設との販売促進プロジェクト進行中

  • 山岳地帯での実証試験予定

  • グローバル展開を視野に入れている

  • マーケティング戦略の知見不足で手探り状態

  • 提供価値の整理、ユーザーニーズ仮説、ターゲット特定が未整理

なぜ「いい商品なのに広がらない」のか?

ある長野県の製造業の話です。

環境配慮型の焚き火台を開発し、燃焼効率の高さやクリーンな排気など、技術的には非常に優れた製品を持っています。実際に使えば、その違いははっきりと体感できるレベルです。

しかし、売上は伸びきらない。

評価は高いのに、広がらない。

社長も手をこまねいているわけではありません。

ターゲットを考え、販路を模索し、プロモーションも試しています。

それでも、「どこに向けてどう売るべきか」が決まりきらない。

結果として、打ち手が散発的になり、次の一手が決まらない状態に陥っていました。

これは典型的なLOCKの状態です。

つまり、判断が止まっている状態です。

RBTDESIGNの見立て

このケースで最初に見たのは、「戦略がないこと」ではありません。

むしろ逆で、“考えすぎていること”でした。

まず起きていたのは「混ざり」です。

  • 環境価値

  • アウトドア体験

  • 都市利用

  • グローバル展開

これらが同じレイヤーで語られており、比較不能な状態になっていました。

次に「粒度の不一致」です。

「山岳地帯での実証」と「キャンパー向け販売」が同時に検討されており、検討単位が揃っていません。

さらに「軸不在」。

最終的にどの価値を優先するのか、判断基準が固定されていませんでした。

つまり、問題はマーケティング手法ではなく、

判断できる状態になっていないことだったのです。

ここで行ったのはシンプルです。

  • 価値を分ける(環境性能と体験価値を分離)

  • 検討単位を揃える(「誰に売るか」に統一)

  • 軸を決める(初期ターゲットを固定)

これにより、初めて比較可能な状態がつくられました。

次の一手

結論はシンプルです。

初期ターゲットを「キャンプ上級者」に絞ること。

理由は明確です。

  • 性能差を理解できる

  • 価格比較ではなく体験価値で選ぶ

  • 発信力があり市場への波及が期待できる

この層に対して、「究極の焚き火体験」というコンセプトで訴求する。

そして、使用体験ベースの発信に集中する。

やることは増やさず、むしろ減らす。

それが、最初に進むための一手です。

最後に

ここまで読んで、自社にも似た状態があると感じたかもしれません。

構造としては、どの会社も同じです。

止まり方は、この3つに集約されます。

1.やりたいことが多すぎて選べない(混ざり)

2.大きな話と小さな話が混在している(粒度)

3.何を基準に決めるかが決まっていない(軸)

この中から、いまの自社に最も近いものを1つ選んでください。

そして、もう1つだけ決めてください。

「何をやめるか」です。

もしそれが決められないなら、それがLOCKです。

その状態を特定するための無料診断も用意しています。


※注釈:LOCKとは、判断が止まっている状態のこと。

本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。