8.UNLOCK MODEL
MODEL004 ある製造業の憂鬱|技術はあるのに「誰にも刺さらない」アウトドアプロダクトの停滞
UNLOCK
順調に見える事業でも、なぜか次の一手だけが決まらないことがあります。
方向性は見えている。選択肢もある。それでも、最後の判断で止まってしまう。
なぜ、この状態が起きるのでしょうか?
現状の整理
薪ストーブや焚き火台など再生可能燃料対応製品を展開
焚き火台は高燃焼効率・クリーン排気・高いデザイン性で国内外評価あり
アウトドア施設との販売促進プロジェクト進行中
山岳地帯での実証試験予定
グローバル展開を視野に入れている
マーケティング戦略の知見不足で手探り状態
提供価値の整理、ユーザーニーズ仮説、ターゲット特定が未整理
なぜ「いい商品なのに広がらない」のか?
ある長野県の製造業の話です。
環境配慮型の焚き火台を開発し、燃焼効率の高さやクリーンな排気など、技術的には非常に優れた製品を持っています。実際に使えば、その違いははっきりと体感できるレベルです。
しかし、売上は伸びきらない。
評価は高いのに、広がらない。
社長も手をこまねいているわけではありません。
ターゲットを考え、販路を模索し、プロモーションも試しています。
それでも、「どこに向けてどう売るべきか」が決まりきらない。
結果として、打ち手が散発的になり、次の一手が決まらない状態に陥っていました。
これは典型的なLOCKの状態です。
つまり、判断が止まっている状態です。
RBTDESIGNの見立て
このケースで最初に見たのは、「戦略がないこと」ではありません。
むしろ逆で、“考えすぎていること”でした。
まず起きていたのは「混ざり」です。
環境価値
アウトドア体験
都市利用
グローバル展開
これらが同じレイヤーで語られており、比較不能な状態になっていました。
次に「粒度の不一致」です。
「山岳地帯での実証」と「キャンパー向け販売」が同時に検討されており、検討単位が揃っていません。
さらに「軸不在」。
最終的にどの価値を優先するのか、判断基準が固定されていませんでした。
つまり、問題はマーケティング手法ではなく、
判断できる状態になっていないことだったのです。
ここで行ったのはシンプルです。
価値を分ける(環境性能と体験価値を分離)
検討単位を揃える(「誰に売るか」に統一)
軸を決める(初期ターゲットを固定)
これにより、初めて比較可能な状態がつくられました。
次の一手
結論はシンプルです。
初期ターゲットを「キャンプ上級者」に絞ること。
理由は明確です。
性能差を理解できる
価格比較ではなく体験価値で選ぶ
発信力があり市場への波及が期待できる
この層に対して、「究極の焚き火体験」というコンセプトで訴求する。
そして、使用体験ベースの発信に集中する。
やることは増やさず、むしろ減らす。
それが、最初に進むための一手です。
最後に
ここまで読んで、自社にも似た状態があると感じたかもしれません。
構造としては、どの会社も同じです。
止まり方は、この3つに集約されます。
1.やりたいことが多すぎて選べない(混ざり)
2.大きな話と小さな話が混在している(粒度)
3.何を基準に決めるかが決まっていない(軸)
この中から、いまの自社に最も近いものを1つ選んでください。
そして、もう1つだけ決めてください。
「何をやめるか」です。
もしそれが決められないなら、それがLOCKです。
その状態を特定するための無料診断も用意しています。
※注釈:LOCKとは、判断が止まっている状態のこと。
本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。