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8.UNLOCK MODEL

MODEL010 ある介護業の憂鬱|組織が回らない理由がわからない

UNLOCK

2026/4/30 03:00

順調に見える事業でも、なぜか次の一手だけが決まらないことがあります。

方向性は見えている。選択肢もある。それでも、最後の判断で止まってしまう。

なぜ、この状態が起きるのでしょうか?

現状の整理

  • 2010年設立の介護法人

  • 小規模多機能施設・住宅型有料老人ホームの4施設を運営

  • 地域密着型で介護・福祉サービスを提供

  • 前任者死去後、組織体制を再構築して運営

  • 小規模法人の強みはあるが、ガバナンス機能が不十分

  • 理事長と現場職員の関係性が曖昧

  • 組織マネジメント機能が弱い

  • 職員の専門性向上やモチベーション向上が進まない

  • 中長期計画の策定が進みにくい

  • 職員の力を引き出しきれていない

なぜ組織が整わないのか?

岡山県にある介護法人。地域に根ざし、4つの施設を運営しています。理念は明確で、「利用者の立場に立つ」という軸もぶれていません。現場のケアも丁寧で、小規模ならではの良さもある。

それでも、経営はどこか不安定でした。

理事長は現場に入り込み、職員との距離は近い。しかしその近さが、役割の曖昧さを生んでいました。誰が判断し、誰が責任を持つのかがぼやけている。結果として、組織マネジメントが機能しない。

「やるべきことは分かっている。でも進まない」

職員の育成、モチベーション向上、中長期計画の策定。どれも重要だと理解している。それなのに、何から手をつけるべきか決められない。

これは努力不足ではありません。

判断が止まっている状態、つまりLOCKです。

RBTDESIGNの見立て

この法人の状態を分解すると、3つのLOCKが重なっていました。

まず「混ざり」です。

現場の課題、経営の課題、人の問題、制度の問題が同じテーブルに並んでいる。比較できないものが混ざっているため、どれも重要に見えてしまう。

次に「粒度の不一致」です。

「組織体制の見直し」と「職員の声を聞く」が同じレイヤーで語られている。大きさの違うテーマが並ぶことで、優先順位がつけられない。

最後に「軸の不在」です。

この法人は何を優先して判断するのか。現場の満足か、組織の安定か、将来の成長か。その判断基準が固定されていない。

この3つが同時に起きると、意思決定は止まります。

そこで行ったのはUNLOCKです。

やることはシンプルでした。

混ざっているものを分ける。

粒度を揃える。

そして、判断の軸を一つに決める。

具体的には、まず課題を「現場運営」と「経営設計」に分離しました。

次に、それぞれの中で同じ粒度に揃え、比較可能な状態にする。

そして最後に、「組織として持続するための意思決定」を最優先の軸として固定しました。

ここで初めて、「どこから手をつけるか」が見える状態になります。

次の一手

結論は明確です。

理事長と現場の役割を切り分けること。

理由はシンプルです。

組織マネジメントが機能しない原因は、「誰が経営を担うのか」が曖昧なことにあります。

理事長は現場に入るのではなく、経営に専念する。現場は役職者を中心に運営する。

この構造に変えることで、意思決定の流れが生まれます。

すべての課題に手をつけるのではなく、「構造」を変えることが最優先です。

最後に

この話は、介護業界に限ったものではありません。

いま、あなたの中にも同じ状態があるはずです。

次の3つから1つ選んでください。

  • やるべきことが多すぎて決められない

  • 何から手をつけるべきか分からない

  • 優先順位の基準が曖昧

そして、1つだけ決めてください。

どこから変えるのか。

もし決められないなら、それがLOCKです。

その場合は、一度整理してみてもいいかもしれません。


※注釈:LOCKとは、判断が止まっている状態を指します。原因は「混ざり」「粒度不一致」「軸不在」のいずれかです。UNLOCKはそれらを取り除き、判断できる状態に戻すことを意味します。

本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。