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8.UNLOCK MODEL

MODEL011 ある地方新聞社の憂鬱|120年続いたのに、次の柱だけが決まらない

UNLOCK

2026/6/6 03:00

なぜ「新規事業」が進まないのか?

長年、地域に根ざしてきた会社ほど、不思議な止まり方をすることがあります。特に地方新聞社は、その典型です。

今回の企業もそうでした。

北陸地方のある地方新聞社。創刊から120年。地域密着の取材力と信頼を武器に、長年地域を支えてきました。しかし今、新聞だけでは未来が見えにくくなっています。

人口減少。新聞離れ。広告市場の縮小。既存事業だけでは伸びづらい現実。

もちろん、何も考えていないわけではありません。

  • 地域情報サイト

  • 動画事業

  • 動物コンテンツ

  • 地域イベント

  • SNS支援

  • 写真集

  • デジタル事業

アイデアはたくさんある。社内には編集、取材、制作、印刷など、多様なスキルもあります。それでも、最後の「次に何をやるか」だけが決まらない。

なぜでしょうか。

「できない」のではなく、“混ざっている”

話を整理していくと、問題は“できることが多すぎる”状態だったのです。

  • 新聞社として地域を守りたい

  • 新規事業も伸ばしたい

  • 地域貢献もしたい

  • 収益も必要

  • デジタル化もしなければならない

  • 社員の雇用も守りたい

全部正しい。だからこそ、全部が同じ場所で混ざり始める。すると、比較できなくなります。

地域貢献と収益事業。ブランド維持とスモールスタート。編集品質と事業スピード。本来は分けて考えるべきものが、頭の中で同時に動いていました。

これがLOCK状態です。LOCKとは、「判断が止まっている状態」のこと。原因は、混ざり・粒度不一致・軸不在のどれかです。

今回のケースは、典型的な「混ざりLOCK」でした。

RBTDESIGNの見立て

まず行ったのは、「新規事業を考えること」ではありません。逆です。

“何を一旦切り離して考えるか”を整理しました。

例えば、

  • 新聞事業を守る話

  • 新しい収益柱をつくる話

  • 地域文化を残す話

  • デジタル化する話

これらを同じ会議で同時に扱うと、判断できなくなります。

そこで、

「短期収益」

「中長期ブランド」

「地域価値」

を分けました。

さらに、粒度も揃えます。

例えば、

  • 地域の未来を守る

  • 年間500万円の新規収益

は、比較する大きさが違います。理念と事業計画が混ざると、現場は止まります。

最後に、「何を軸に判断するか」を固定しました。

今回、最終的に見えてきた軸は、“地域との接点を活かし、小さく継続収益を積み上げる”でした。

この軸が決まった瞬間、優先順位が一気に整理されました。

次の一手

今回の次の一手は、とてもシンプルでした。

「地域企業向け発信支援事業」を小さく始める。

です。理由は明確です。

  • 既存の編集力をそのまま使える

  • 新聞ブランドとの相性が良い

  • 大きな投資が不要

  • 地域企業との接点が既にある

  • 継続契約化しやすい

つまり、“今ある強み”の延長線上にある。新規事業は、派手なアイデアより、「社内が自然に動けるか」の方が重要です。

最後に

事業が止まるとき、多くの経営者は「良いアイデアが足りない」と考えます。でも実際には、違うことがあります。

止まる理由は、多くの場合この3つです。

  • 目的と手段が混ざっている

  • 理想と現実の大きさが揃っていない

  • 何を優先するか決まっていない

まず、1つ選んでください。そして、その1つだけを基準に、次の一手を決めてください。もし選べないなら、それ自体がLOCKです。

無料診断では、今どこで判断が止まっているのかを、構造レベルで整理します。


本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。