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8.UNLOCK MODEL

MODEL013 ある食品製造業の憂鬱|外国人観光客が通るのに、なぜ売れないのか?

UNLOCK

2026/6/8 03:00

京都の観光地には、毎日たくさんの外国人観光客が訪れます。しかし、人はいるのに、なぜか商品が売れない。

今回の相談は、そんな京都のある漬物店から始まりました。

京漬物という文化的価値の高い商品を扱いながらも、外国人観光客の購買に繋がらない。店舗前は賑わっているのに、通り過ぎられてしまう。

そこで、

  • 英語POPを増やすべきか

  • 試食を強化するべきか

  • おにぎりと組み合わせるべきか

  • ギフト需要を狙うべきか

  • 海外向け商品を開発するべきか

アイデアは次から次へとたくさんあります。

しかし、考えれば考えるほど、「結局、何を主役にすべきなのか」が分からなくなっていました。

なぜ“人はいる”のに売れないのか?

RBTDESIGNでは、まず「漬物が売れない理由」ではなく、“何が混ざっているか”を見ました。

すると、複数のものが同じ場所に存在していました。

  • 京都文化としての漬物

  • 日本人の日常食としての漬物

  • 発酵食品としての漬物

  • お土産としての漬物

  • ヘルシーフードとしての漬物

つまり、「漬物とは何か」が固定されていなかったのです。

日本人にとって漬物は説明不要の存在です。しかし外国人にとっては違います。

ある人には“ピクルス”に見える。ある人には“発酵食品”に見える。ある人には“見たことのない食べ物”に見える。

この認識のズレが、購買停止を起こしていました。

さらに、

  • 文化を伝えたい

  • 売上を伸ばしたい

  • 京都らしさを出したい

  • 持ち帰りやすくしたい

  • 利益率は落としたくない

という複数目的も混ざっていました。

その結果、どの施策も正しく見えてしまい、逆に決められなくなっていたのです。

RBTDESIGNの見立て|問題は「施策不足」ではなかった

今回のLOCKは、「インバウンド施策不足」ではありませんでした。

本当のLOCKは、“外国人にとって漬物を何として認識させるか”が決まっていないことでした。

そこで、まず比較可能状態をつくりました。

最初に行ったのは、「誰に、何として見せるのか」を分けることです。

例えば、

  • 京都文化体験として売るのか

  • 発酵ヘルシーフードとして売るのか

  • 旅の思い出土産として売るのか

この3つは似ていますが、まったく別物です。

次に、粒度を揃えました。

「商品開発」と「POP改善」と「世界観設計」が同列で議論されていたため、まずは“認識設計”を上位概念として固定。

そのうえで、最後に軸を決めました。

今回は、「京都を持ち帰る小さな文化体験」という軸に固定したことで、ようやく施策の優先順位が見え始めたのです。

次の一手|まず“外国人の認識”を観察する

今回の次の一手はシンプルでした。

「外国人観光客が、漬物を何として見ているかを分類する」

売り方を考える前に、

  • なぜ立ち止まったのか

  • なぜ通り過ぎたのか

  • 何に見えていたのか

を観察する。

ここが見えないまま施策を増やすと、店舗全体が“何屋か分からない状態”になります。逆に認識が固定されると、

  • パッケージ

  • 試食

  • 店舗導線

  • 英語説明

  • 商品構成

すべてが繋がり始めます。

最後に

もし今、あなたの会社でも、

  • 人は来るのに売れない

  • 商品は良いのに伝わらない

  • アイデアはあるのに決めきれない

そんな状態が起きているなら、問題は「努力不足」ではないかもしれません。

まず選んでください。

  • 商品の問題なのか

  • 伝え方の問題なのか

  • “何として認識されているか”の問題なのか

そして、そのあとに1つだけ決めてください。

「誰に、何として見せるのか」

もしそれが決められないなら、そこがLOCKです。

RBTDESIGNでは、そうした“判断が止まっている場所”を整理する無料診断を行っています。


※注釈
LOCK=判断が止まっている状態
UNLOCK=混ざり・粒度不一致・軸不在を解除し、判断可能状態に戻すこと

本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。