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8.UNLOCK MODEL

MODEL019 ある食品卸業の憂鬱|食べる楽しみを届けたいのに、届け方が決まらない

UNLOCK

2026/7/19 03:00

なぜ「良い商品なのに広がらない」のか?

長野県のある食品関連企業は、10年以上にわたり高齢者施設向けのおやつ宅配事業を続けてきました。

毎日約8,000食、年間300万食以上のおやつを届けています。

そして、事業を続ける中で気づいたことがありました。

高齢になると、食べたくても食べられるものが少なくなっていくという現実です。若い頃は好きだった煎餅も、硬くて食べられない。大好きだった和菓子も、飲み込みづらくなる。

しかし本人の「食べたい」という気持ちはなくなりません。

だから嚥下困難者向けのお菓子や食事の開発を始めました。

そして次は在宅介護の家庭へ届けたいと考えています。ところが、ここで判断が止まりました。

  • 家族向けに売るべきなのか。

  • ケアマネジャー向けなのか。

  • 医師や歯科医師なのか。

  • それとも本人なのか。

商品はある。想いもある。しかし売り方(マーケティング)だけがわからない状態でした。

RBTDESIGNの見立て

話を整理していくと、複数の論点が混ざっていました。

まず混ざっていたのは「誰に届けるのか」です。

食べる人と買う人と勧める人が同じように語られていました。本人、家族、ケアマネジャー、医師。全員関わる人ですが、役割はまったく違います。

次に混ざっていたのは「何を売るのか」です。

柔らかいお菓子という商品を売りたいのか。食べる楽しみという価値を届けたいのか。高齢社会の食文化を変えたいのか。商品と価値と理念が同じ場所で語られていました。

さらに比較するための軸も定まっていませんでした。

安全性で選ばれる商品なのか。楽しさで選ばれる商品なのか。家族の安心で選ばれる商品なのか。軸が決まらなければ優先順位も決まりません。

そこでRBTDESIGNでは、混ざっているものを分け、比較できる粒度に揃え、最後に判断軸を固定しました。すると見えてきたLOCKは意外なものでした。

この会社は「嚥下食メーカー」になりたいのではありませんでした。本当に実現したいのは、「食べる選択肢を増やすこと」だったのです。

次の一手

次の一手はシンプルでした。まず最初に、

誰の喪失感を解決する事業なのかを決める。

これです。嚥下困難者本人なのか。家族なのか。支援者なのか。ここを決めない限り、ブランドも販路もマーケティングも決まりません。

逆にここが決まれば、伝える言葉も届ける相手も自然に決まります。

戦略の前に必要だったのは、広告ではなく判断でした。

最後に

もしあなたの会社でも次のような状態なら注意が必要です。

  • 商品はあるが誰に売るか決まらない

  • 顧客は見えているが何を価値として届けるか決まらない

  • やりたいことはあるが優先順位が決まらない

この中で、今の自社にいちばん近いものを1つ選んでください。そして、その1つだけを解決することを決めてください。

もし選べないのであれば、それがLOCKです。判断が止まっている原因は、能力不足ではなく、混ざり・粒度・軸のどれかにあります。

RBTDESIGNの無料診断では、そのLOCKがどこにあるのかを一緒に特定しています。


※LOCKとは、判断が止まっている状態のことです。

本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。