8.UNLOCK MODEL
MODEL020 ある農業法人の憂鬱|やりたいことは山ほどあるのに、なぜ前に進まないのか?
UNLOCK
なぜ進まないのか?
北海道のある農業法人経営者は悩んでいました。
考えていることは農業生産だけではありません。大手企業への原料供給、新しいEC事業、サブスクリプションサービス、海外展開構想まであります。
次々とアイデアが生まれ、未来の可能性も見えています。しかし現実には、事業が思うように前へ進みません。
会議をしても結論が出ない。プロジェクトは止まる。社長しか全体像を理解していない。社員からは「結局どれを優先するんですか?」という声が出始めていました。社長自身も「考えているのに進まない」という感覚を抱えていました。
多くの経営者は、この状態になると人手不足や能力不足を疑います。しかし本当にそうなのでしょうか。
RBTDESIGNの見立て
話を聞くと、問題は人手ではありませんでした。LOCKがかかっていたのです。
まず見えたのは「混ざり」です。
農業生産の話と海外展開の話、来月の売上の話と5年後のビジョンの話が同じ場で語られていました。比較できないものが混ざると、人は判断できません。そこで最初にテーマを分けました。
次に見えたのは粒度の違いです。
「海外市場へ進出する」という大きな話と、「今月どのプロジェクトを進めるか」という小さな話が並列で扱われていました。これでは優先順位は決まりません。そこで時間軸と目的ごとに整理し、同じ大きさで比較できる状態へ揃えました。
最後に見えたのは軸の不在です。
BtoBを伸ばすのか。DtoCを伸ばすのか。農業生産を拡大するのか。どれも魅力的でした。しかし判断基準がなければ、すべて正しく見えてしまいます。そこで「今の会社が最優先で実現すべきものは何か」を固定しました。
すると、それまで複雑だった議論が一気にシンプルになりました。LOCKが解除された瞬間(UNLOCK)です。
次の一手
次の一手は、
「今後3年間で最優先とする事業を1つ決める」
ことでした。
人も資金も時間も限られています。すべてを同時に成功させることはできません。優先順位が決まれば、やらないことも決まります。やらないことが決まれば、組織は動き始めます。
必要だったのは新しいアイデアではなく、判断基準だったのです。
最後に
もしあなたの会社が前に進まないなら、次の3つのうちどれかかもしれません。
やることが多すぎて決められない
優先順位はあるが実行が進まない
そもそも何を優先すべきか分からない
まず1つ選んでください。次に、その問題に対して今週やることを1つだけ決めてください。
決められないなら、それがLOCKです。
※LOCKとは、判断が止まっている状態のことです。
※UNLOCKとは、混ざりを解除し、粒度を揃え、軸を固定することで判断可能な状態へ戻すプロセスです。
本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。