8.UNLOCK MODEL
MODEL021 ある人材育成業の憂鬱|資格はあるのに事業にならない
UNLOCK
なぜ事業化できないのか?
宮崎県のある不動産会社の社長は、新しい事業を立ち上げようとしていました。
本業は不動産管理。しかし数年前に取得した人材育成資格を活かし、地域企業の人材課題を支援する事業を始めたいと考えていました。
離職率の改善、社員の定着、社内コミュニケーションの活性化。地域企業が抱える課題は数多くあります。社長自身も研修を実施し、一定の成果や手応えを感じていました。
ところが、いざ事業として考え始めると進みません。
「研修を売ればいいのか」
「コンサルティングなのか」
「診断サービスなのか」
「まずは営業資料をつくるべきか」
考えれば考えるほど選択肢が増え、次の一手が決まらなくなっていました。ちゃんと考えているのに進まない。
まさにLOCKがかかっている状態でした。
RBTDESIGNの見立て
話を聞いていくと、問題は人材育成業の知識不足ではありませんでした。
まず見えたのは「混ざり」です。
研修、診断、コンサルティング、組織改善、離職率改善。本来は別のものなのに、すべてを一度に事業化しようとしていました。そこで一つずつ分けて整理しました。
すると次に見えたのが「粒度の違い」です。
「離職率改善」は経営課題です。一方で「コミュニケーション改善」は現場課題です。大きさの違うものを比較していたため、何を優先するべきか判断できなくなっていました。
さらに深掘りすると、最後に「軸」が見えてきました。
社長は「すべての人の可能性を信じられる世の中へ」と語ります。とても素晴らしい想いです。しかし企業が購入するのは理念ではありません。企業が求めるのは「離職率を下げたい」「管理職を育てたい」「採用ミスマッチを減らしたい」という具体的な成果です。
つまり、「すべての人の可能性を信じられる世の中へ」という想いと、「何の課題を解決するのか」という事業の軸がまだ接続されていなかったのです。
混ざりを解除し、粒度を揃え、軸を固定する。するとLOCKの正体が見えてきました。
この会社は人材育成事業をつくれていないのではありません。「誰の何を解決する会社なのか」が決まっていなかったのです。
次の一手
まずは「解決する課題を一つに決める」です。
離職率改善なのか。
管理職育成なのか。
採用ミスマッチ改善なのか。
最初から全部やろうとしないことです。なぜなら、誰の何を解決するかが決まれば、商品も営業資料も価格も営業先も自然と決まるからです。
事業を大きくする前に、まずは一つに絞る。
それが次の一手でした。
最後に
もしあなたの会社が新しい事業を考えているなら、次の3つのうちどれに近いでしょうか。
やりたいことが多すぎて決められない
やることはあるが優先順位が決められない
判断基準がなく選べない
まず1つ選んでください。次に、その問題に対して「今やらないこと」を1つだけ決めてください。
それでも決められないなら、それがLOCKです。
RBTDESIGNの無料診断では、今どこで判断が止まっているのかを一緒に特定しています。
※LOCKとは、判断が止まっている状態のことです。UNLOCKとは、その原因である「混ざり」「粒度不一致」「軸不在」を取り除き、再び判断できる状態に戻す考え方です。
本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。