8.UNLOCK MODEL
MODEL024 ある福祉事業の憂鬱|水耕栽培はあるのに収益モデルが育たない
UNLOCK
なぜ水耕栽培なのに広がらないのか?
福井県のある福祉事業者は悩んでいました。
就労継続支援B型事業所を運営しながら、利用者の工賃を上げたい。内職中心では限界がある。
そこで目をつけたのが、室内水耕栽培でした。
天候に左右されない。障がいのある方でも作業しやすい。地方でも雇用がつくれる。実際にシステムも開発しました。しかし、事業は思うように前に進みません。
「施設を増やしたい」 「野菜を売りたい」 「地方創生を実現したい」 「工賃を上げたい」 「全国に導入したい」
どれも正しい。だからこそ、決められなくなっていました。
販売戦略の問題に見えますが、本質はもっと手前にありました。
RBTDESIGNの見立て
まず、事業の全体像を整理しました。すると、複数の異なる事業が同時に語られていました。
福祉施設にシステムを販売する事業。 栽培した野菜を販売する事業。 地方に雇用をつくる事業。似ているようで、目的も顧客もまったく異なります。これが最初の混ざりでした。
次に、話の粒度を確認しました。「全国200施設への導入」という目標と、「野菜の販売先を増やす」という施策が、同じテーブルに並んでいました。目標と手段は比較できません。一つずつ分解して整理しました。
すると最後に残ったのは、軸の問題でした。この会社は何を最優先で実現したいのか。工賃アップなのか。水耕栽培システムの普及なのか。地方創生なのか。ここが定まっていないため、すべてを同時に進めようとしていました。
これは典型的なLOCKです。 事業が止まっているのではありません。判断が止まっているのです。
次の一手
まず「水耕栽培システム販売事業」として設計し直す。
これが次の一手でした。
野菜販売は収益の出口ですが、導入施設が増えなければ市場は広がりません。順序が逆なのです。まずやるべきは、導入した施設で工賃がいくら上がったかを数字で示せる、再現可能な成功事例を1つつくることです。
200施設を目指す前に、まず1施設で成功する。 それが証明できれば、次の施設への説明が変わります。営業が変わります。事業が動き始めます。
最後に
もしあなたの会社でも、
①やりたいことが増えすぎて決められない
②目標と手段が混ざっている
③何を優先するか決まらない
このどれかに当てはまるなら、まず1つ選んでください。
そして、今月やることを1つだけ決めてください。それが決められないなら、それがLOCKです。事業は能力不足で止まることよりも、判断できなくなって止まることの方がはるかに多いものです。
どこで判断が止まっているかわからない場合は、無料診断で一緒に確認することもできます。
※LOCKとは、判断が止まっている状態のことです。
本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。