8.UNLOCK MODEL
MODEL031 あるアルミダイカスト製造業の憂鬱|技術はあるのに、新商品が決まらない
UNLOCK
なぜ、商品アイデアを考えているのに進まないのか?
熊本県のあるアルミダイカスト製造会社では、金型製作から鋳造、加工までを一貫して手がけています。
技術には自信があります。多品種・小ロットにも対応できる。だからこそ、受託製造だけではなく、自社の技術を活かした新商品をつくりたいと考えていました。
しかし、なかなか前に進みません。
法人向けの商品にするのか。個人向けなのか。今ある製品をアルミに置き換えるのか。アルミだからこそ成立する新しい商品を考えるのか。
市場調査も必要です。競合も見なければいけません。商品アイデアも出したい。
ちゃんと考えているのに、新商品の方向性が決まらない状態でした。
この企業の現状
アルミダイカストの技術力と一貫生産体制を持っている
受託製造に加え、自社製品を新たな事業の柱として育てたい
法人向け・個人向けの双方を候補としており、対象市場が広い
新商品、既存製品のアルミ置換など複数の方向性が並んでいる
市場ニーズや製品コンセプトが十分に絞り込まれていない
アイデアを出すことより、「どの方向を選ぶか」で判断が止まっている
RBTDESIGNの見立て|問題はアイデア不足ではありません
この会社に必要なのは、さらに商品アイデアを増やすことではありません。
まず、混ざっているものを分けることです。
「誰に売るか」という市場の話と、「何をつくるか」という商品の話。そして「アルミダイカストで何ができるか」という技術の話が、同じ場所で検討されていました。
そこで一度、候補を「市場」「困りごと」「技術の活かし方」に分けます。
次に、粒度を揃えます。
「個人向け」という大きな市場と、「特定用途の商品」という具体案をそのまま比べても判断できません。同じ大きさの選択肢に揃えて、比較できる状態にします。
最後に必要なのが、軸です。
市場の大きさを重視するのか。自社技術との相性なのか。試作のしやすさなのか。販売までの近さなのか。
何を重視する会社なのかを決めなければ、どの商品案も魅力的に見えてしまいます。
この会社のLOCKは、「アイデアがないこと」ではなく、「選ぶ基準がないまま、違う種類の選択肢を比べていたこと」でした。
次の一手
次の一手はシンプルです。
商品アイデアを増やす前に、最初に検証する市場を1つ決めます。
商品は、その市場にいる人の困りごとから考えればいい。
狙う場所が決まれば、必要な市場調査も、聞くべき顧客も、考える商品も変わります。
「何をつくるか」を決める前に、「どこで勝負するか」を決める。
それが、この会社が新商品開発を動かし始める最初の一手です。
最後に
新しいことを考えているのに進まないとき、止まっている場所は大きく3つあります。
選択肢の種類が混ざっている
比べているものの大きさが揃っていない
選ぶ基準が決まっていない
まず、今の会社にいちばん近いものを1つ選んでください。
次に、その問題を解くために、明日何をするかを1つだけ決めてください。
それが決められないなら、そこにLOCKがあります。
自社がどこでLOCKしているのか判断しにくい場合は、RBTDESIGNで一緒に確認できます。
※LOCKとは、経営者の能力不足ではなく「判断が止まっている状態」のことです。UNLOCKでは、混ざりを分け、粒度を揃え、判断軸を決めることで、再び判断できる状態をつくります。
本記事は、RBTDESIGNの実際の支援事例ではありません。公開されていた事業相談をもとに、企業が特定されないよう一部情報を変更し、RBTDESIGNのUNLOCKがどのように事業の「判断の詰まり」を見立てていくのかを、具体的に理解していただくためのモデルとして構成しています。