1. 考えられない悩み
経営で考えることが多すぎるときは? 先に決めると、他の問いも進むとは何ですか
RBTDESIGN
経営をしていると、考えることが次々に出てきます。
売上、人のこと、お客様への伝え方。ホームページや資料、価格のことまで。
一つ考え始めると、別の問いが出てきます。頭の中がいっぱいになり、どこから手をつけるかも決めにくくなります。
そんなときは、問いを一つずつ片づける前に、それぞれがどうつながっているかを見てみます。
いくつもの問いが、一つの「まだ決まっていないこと」から生まれている場合があります。
先にそこを決めると、ほかの問いも考えやすくなります。あとで決めればよいことも見えてきます。
注文住宅の会社を経営するJ社長の話から、考えてみます。
冊子の打ち合わせで、決めることが増えていった
J社長の会社では、家づくりの考え方を伝える冊子を2冊つくる計画がありました。
一冊は、家を建てる前に暮らしや記憶を振り返ってもらう書き込み式の質問集。もう一冊は、実際に住んでいる方の暮らしを紹介する事例集です。
打ち合わせには、企画や文章、表紙のデザイン案まで用意されていました。
ところが、J社長には、冊子の使い方について確認したいことがいくつもありました。
「この冊子は、どういう使い方になるんですか」
新しくつくった聞き取り用のシートと、役割が重ならないか。
今のパンフレットと一緒に送るのか。
資料を請求した方に、この2冊だけを送れば足りるのか。
質問やデザインの選び方に加え、ロゴ、ホームページ、SNSをどう扱うかという話も出てきました。
冊子を決めるはずが、関連する資料や発信のことまで考える必要が出てきたのです。
書き出しても、決められないことがある
考えることが多いときは、問いをすべて書き出し、優先順位をつける方法があります。
緊急度や重要度で並べたり、小さな作業に分けたりする方法です。
頭の外に出すと、何が残っているかを確かめやすくなります。
ただ、順番に片づけるだけでは進みにくい場合もあります。
一つの答えが決まらないと、ほかの問いにも答えられない場合です。
経営の問いには、こうしたつながりがあります。
たとえば、パンフレットを一緒に送るかどうかは、冊子の目的で変わります。聞き取り用シートとの違いや、残す質問の選び方も同じです。
目的を決めないまま細部を一つずつ選んでも、そのたびに「そもそも、この冊子は何のためだろう」と戻ることになります。
考えることの多さに加えて、同じところに何度も戻ることが、負担になっていたのかもしれません。
問いの数だけでなく、つながりを見る
RBTDESIGNでは、まず、並んでいる問いのつながりを見ます。
「これを決めたら、ほかのどの問いが考えやすくなるだろう」。その問いが、先に考える候補です。
もちろん、すべての問題が一つにつながるわけではありません。別に考えるべき問題もあります。
それでも、つながっているものがわかれば、すべてを同時に決める必要はなくなります。
先に考える問いは、目の前の作業に隠れがちです。
「パンフレットを同封するか」「ロゴを変えるか」は、具体的で答えやすそうに見えます。
一方、「何のために冊子をつくるのか」は、もう決まっているつもりで、書き出す問いから抜けることがあります。
細かな問いで立ち止まるたびに、その判断に必要な目的が言葉になっているかを確かめてみます。
「冊子を送って、何を得たいですか」
J社長との打ち合わせで、私は冊子の内容から少し離れて尋ねました。
「この冊子を送ることで、何を得たいですか」
「本来は、やっぱり共感なんですよね」
会社の家づくりの考え方に共感した方に、話を聞いてみたいと思ってもらう。それが、冊子を届ける目的でした。
目的が見えると、2冊の役割を考えやすくなりました。質問集は、会社の考え方を伝えながら、読み手自身の暮らしを考えてもらうもの。事例集は、その考え方が実際の暮らしにどう表れるかを見せるものです。
2冊の役割が分かれると、聞き取り用シートと何が違うのかも説明しやすくなります。
どの質問を残すかも、J社長が「なぜ聞くのか」を説明できるかという観点で考えられます。
制作チームからも、共感してもらうために何をするか、という順番では考えていなかったという声が出ました。
ひとつの目的を言葉にしたことで、複数の問いに答えるための手がかりができたのです。
自分の仕事なら、何を先に考えるか
J社長の例を、自分の仕事に引き寄せるなら、次の三つを確かめてみてください。
1. 気になっていることを、同じ場所に書き出す
大きな問いも、小さな作業も一緒に並べます。「ロゴを変えるか」と「何のためにつくるか」が同じ紙にあってかまいません。
2. どの問いが、ほかの問いに影響するかを見る
一つが決まると、ほかの何が決めやすくなるでしょうか。線でつないでみると、先に考えたい問いが見つかることがあります。
3. 今決めることと、あとで確かめることを分ける
目的が決まっても、お客様の反応を見なければ判断できないことは残ります。今決める必要があるかどうかも、問いごとに分けてみます。
この相談で、どこまで進んだか
J社長の会社では、「共感」を目的に置き、2冊の構成を基本に見積もりへ進むことになりました。
J社長は、金額を早く決めて進めたいという意向を話していました。
一方で、決まっていないこともあります。
パンフレットの同封、ロゴの変更、ホームページやSNSとのつながり方。「共感」をどう確かめるかも、これから考えることです。
これらは、冊子の目的を踏まえ、必要に応じて検討できます。お客様の反応を見てから判断したいこともあります。
問いの数が、すべて減ったわけではありません。
先に決めることと、あとで確かめることを分けられるようになったのです。

あなたが先に考えたい問いは、どれですか
いま、頭にあることを一度書き出してみてください。
その中で、一つを決めたら、ほかの問いも考えやすくなるものはありますか。
見つかったら、それを先に考えます。残りの問いには、あとで確かめればよいものもあるかもしれません。
あなたの仕事では、何を決めると、ほかの問いも進みそうでしょうか。
→ 並んでいる問題が、事業全体のどこでつながっているのかを見る(準備中)
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