7. RBTDESIGNの思想
事業デザイナーの役割
RBTDESIGN
── 決断の一歩を、どこに置くか
「コンサルですか?」
そう聞かれることがあります。
たしかに、事業の話をします。構想も、迷いも、判断も扱います。ただ、やっていることは少し違います。
私がやっているのは、経営者が次に踏み出す一歩をどこに置くかを、一緒に描く仕事です。
事業全体のどこにいるかを、まず見る
相談は、たいてい具体的なところから始まります。
Webサイトをどうするか。新しい商品をつくるべきか。営業が伸びない。
ただ、その話が事業全体のどこにあり、何とつながっているのかが分からないままだと、本当に考えるべきことを見失います。
だから最初に、事業を構造として見立てます。
誰に向き合うのか。何を大切にするのか。どんな価値を届けるのか。どの道を選ぶのか。どう利益を生むのか。何をするのか。どう届けるのか。どう回すのか。外からどう見えるのか。
9つの判断領域から、いま話していることがどこにあり、何が決まっていて、何がまだ決まっていないのかを確かめます。
9つを埋めるためではありません。今どこを考えているのかを、見失わないためです。
止まっている場所を、見つける
見立てると、目の前の相談と、本当に止まっている場所が違うことがよくあります。
「ホームページをつくり直したい」という相談。 話を聞いていくと、「そのホームページで、誰に何を伝えるのか」がまだ決まっていない。
その状態でWebだけを直しても、また迷います。
だから、少しずつ手前へさかのぼります。
決められないのは、能力の問題ではありません。むしろ、よく考える人ほど止まります。考えるほど、どちらにも理由が見えてくるからです。
問題は、考える量ではない。何を先に決めれば、その先を決められるのかが整理されていないことです。
どの判断が、その先の多くの判断を止めているのか。
そこを特定するのが、私の仕事の中心です。
材料を持ち込み、率直に伝える
止まっている場所が見つかっても、それだけでは決まりません。
意志だけでは、事業は成立しないからです。市場に需要があるのか。顧客は本当に払うのか。社内に実行できる人がいるのか。利益が残るのか。
だから、調べます。別の視点を足します。見えていないリスクは指摘します。
違うと思ったことは、率直に伝えます。耳ざわりのいい言葉より、伝えるべきことを選びます。
そのうえで、最後に選ぶのは経営者です。
決めた判断は、商品・戦略・営業・Web・運営までつないでいきます。ひとつ決めただけでは、事業は変わらないからです。
なぜ、この仕事なのか
私自身、ずっと「判断できる人間」だったわけではありません。
50歳になったとき、人生が100年だとすれば、もう半分でした。このまま延長を生きるのか、残りを本当にやりたいことに使うのか。
先が見えないことは怖かった。でも、何も変えないまま過ごすことの方が、もっと怖いと思いました。
そこで初めて、先が見えなくても、自分が納得できる方へ進むという判断をしました。
RBTDESIGNが「判断」を大切にしている背景には、この経験があります。
もうひとつ。私は昔から、決められたやり方や「普通はこうする」をそのまま受け入れるのが得意ではありません。何かをするとき、「それは何のためなのか」から考えてしまいます。
…少しメンドクサイ性質です。
ただ、人よりほんの少しだけ深く考えて、「つまり、こういうことではないか」を見つけることは、自分の得意なことだと思っています。
教壇ではなく、隣の席
前に立って教えることはしません。後ろから指示することもしません。
分からないことは一緒に調べます。違うと思ったことは率直に伝えます。でも、最後に進む方向を決めるのは経営者です。
RBTDESIGNの黒いウサギも、影としてそっと寄り添う存在を表しています。
主役は、経営者。私は、その隣にいます。
合わない方もいます
すぐに答えがほしい方。決断を預けたい方。正解ルートを教えてほしい方。
そういう期待には、応えられません。楽にする仕事でも、速くする仕事でもないからです。
一方で、こういう状態の方とは、自然に話が噛み合います。
自分で考えてきた。それでも、どこかで止まっている。何が原因かは、もう分からない。
そんなとき、必要なのは答えではなく、止まっている場所を見つけることです。
3か月で、どこまで行くか
期間は3か月。目指すのは、すべてを完成させることではありません。
何をするか、何をしないかを含めて、進む方向が決まっている
なぜその方向なのかを、自分たちの言葉で説明できる
商品・営業・Web・運営のどこから手をつけるべきかが見えている
何を決め、なぜそう決めたのかが、一枚の設計図として残っている
その後は、自社で進めていただくことを基本にしています。
経営者が、次も決められる。だから、事業は進む。
そのために、決断の一歩をどこに置くかを、一緒に描いています。

👉 次の記事:「答えを渡さない理由」
なぜ答えを渡さないのかを、もう少し説明します。