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1. 考えられない悩み

情報が多すぎて決められないときは? 「自社に必要か」を判断する基準を持つ

RBTDESIGN

2026/7/30 03:00

「ネットショップを始めたほうがいいと言われました。でも、別の人には、まずInstagramだと言われて」

洋菓子店を営むZ社長は、売上を伸ばす方法を調べていました。

開店から、そろそろ10年。ケーキも焼き菓子も、常連のお客様に支えられてきました。ただ、数年前に価格を見直してから、売上が伸び悩んでいます。

ネットショップ、Instagram、LINE、新商品、新しい客層。

調べるほど、選択肢は増えます。どれにも成功例があり、勧めてくれる人がいます。それでも、何から始めるかが決まりません。

こうしたときに確かめたいのは、その情報が役立つかを、自社の目的と条件に照らして判断できるかです。

一般的によい方法でも、今の自社に必要とは限りません。

比較表をつくっても、どれもよく見える

Z社長は、それぞれの方法を表にまとめていました。

ネットショップなら、遠くのお客様にも販売できます。ただ、梱包や発送の仕事が増えます。

Instagramには、1万人を超えるフォロワーがいます。それでも、売上にどれほど結びついているかは、つかめていません。

LINEは、常連のお客様に知らせを届ける手段になりそうです。一方、新しいお客様に知ってもらうには、別の工夫も必要です。

「どれも、やる意味はあるんですよね」

そのとおりです。ただ、意味があることを、すべて同時にはできません。

比較表には、それぞれの特徴が書かれています。でも、店として今、何を優先するかは書かれていませんでした。

選択肢の特徴がわかることと、自社が選べることは、同じではありません。

「売上を増やす」を、もう少し具体的にする

売上を増やしたいという目的だけでは、多くの方法が候補に残ります。

新しいお客様を増やすのか。今のお客様に、もう一度来てもらうのか。贈り物として選んでもらうのか。

同じ売上でも、何を増やしたいかによって、必要な取り組みは変わります。

さらに、店には条件があります。

つくれる数、スタッフの人数、準備に使える時間。新しい取り組みを始めても、今の品質や接客を保てるかも大切です。

たとえば、製造量を増やせない時期に注文数だけを増やそうとすると、対応が難しくなるかもしれません。その場合は、どの商品を、どんな用途で選んでもらうかを考える必要があります。

情報を見る前に、目指すことと、守る条件を具体的にする。すると、比べるポイントも変わります。

「コスパのいい店」という評判を、どう考えるか

Z社長との話で、何度も出てきた言葉がありました。

「コスパのいい店と思われているんです」

お客様に喜ばれているのは、ありがたいことです。ただ、その言葉が何を意味しているかは、もう少し確かめたいところです。

価格が安いことなのか。量に満足しているのか。味や品質に対して、値段が手頃だと感じているのか。

価格を見直したあとに売上が伸び悩んでいても、それだけで「値上げが原因」とは言い切れません。どのお客様が、どの商品を、どのくらい買わなくなったのかを見る必要があります。

そのうえで、これから何で選ばれたいかを考えます。

日常のおやつとして、気軽に通ってもらいたいのか。少し特別な日のケーキや、贈り物として選ばれたいのか。

両方を扱うとしても、今、どの商品や用途に力を入れるかは選べます。

ここが見えてくると、ネットショップやSNSの情報も、自分の店に引き寄せて読めるようになります。

方法を選ぶ前に、何のために使うかを決める

たとえば、焼き菓子を贈り物として選んでもらいたいなら、ネットショップは遠方へ届ける手段として検討できます。

ただし、発送に向く商品か、包装や送料を含めても利益が残るか、製造と出荷に対応できるかを確かめます。

Instagramなら、商品の写真に加え、どんな相手への贈り物に向いているか、どう購入できるかを伝える方法が考えられます。

常連のお客様に季節の商品を知ってもらいたいなら、LINEが役立つかもしれません。

どれかひとつの方法が、いつでも正解というわけではありません。同じ方法でも、任せる役割によって使い方が変わります。

「Instagramをやるか」から、「誰に何を伝えるために使うか」へ。

問いが具体的になると、調べたい情報も絞られます。

判断基準は、自社の言葉にする

専門家の助言は、判断するための大切な材料です。

ただ、「ネットショップがおすすめです」と言われたときには、どんな条件で役立つ提案なのかを確かめたいところです。

遠方からの需要があることを想定しているのか。発送できる商品と人員があることを前提にしているのか。

助言の前提が自社に合っているかを見ることで、採用する理由も、今は見送る理由も説明できます。

そのための基準は、難しい言葉でなくてかまいません。

「今季は、常連のお客様に季節の商品を知ってもらうことを優先する」

「製造量を大きく増やす取り組みは、体制が整うまで待つ」

「新しい仕事を増やすなら、準備と運用にかかる時間まで確かめる」

こうした一文があると、届いた情報を「今使う」「条件がそろったら検討する」「今回は使わない」に分けやすくなります。

基準が出てこないときは、見送った理由を振り返る

何を優先したいか、すぐには言葉にならないこともあります。

そのときは、以前勧められたのに、やらなかったことを思い出してみます。

Z社長には、値引きの催しを見送った経験がありました。

理由を尋ねると、こう話しました。

「安い店になりたいわけではないので」

この言葉には、店として大切にしたいことが表れているかもしれません。

ただ、「安さで選ばれたくない」だけでは、次の方法は選べません。

それなら、何を理由に選んでほしいのか。その理由を、お客様も感じてくれているのか。

過去の判断を振り返ることで、これから確かめたい問いが見えてきます。

この日に決まったのは、売り方を選ぶ前の確認だった

ネットショップを始めるかどうかの前に、整理することが見えてきました。

どの商品を、誰に、どんな用途で選んでもらいたいのか。今の製造体制で、どこまで対応できるのか。

それをもとに、ネットショップ、Instagram、LINEに、どんな役割を持たせるかを考えることにしました。

「どれをやるか、ばかり調べていました」

情報を集めたことが無駄だったわけではありません。自社の目的と条件が見えると、集めた情報を使い分けられるようになります。

その情報は、何を決めるために使いますか

情報が多すぎると感じたら、気になっている助言をひとつ選び、次の3つを確かめてみてください。

  • 今、自社が実現したいことに役立つか

  • 人員や時間、費用などの条件に合っているか

  • 採用するために、まだ何を確かめる必要があるか

答えに詰まったら、そこが次に整理するところです。

目的があいまいなのか。使える時間がわからないのか。お客様の希望を確かめられていないのか。

情報を選べるようになるには、自社が何をしたいのかと、どんな条件で進めるのかを明確にすることが大切です。

手元にある情報を、どんな理由で使うのか。その理由を言葉にするところから、始めてみてください。


→ 自社では、情報を選ぶ手前のどこで判断が止まっているのかを確かめる(準備中)

→ RBTDESIGNが、情報があふれて決めきれない判断を社長とどう考えるのかを知る(公式サイト)

まだ整理の途中であれば、こちらも参考になります。

👉 関連記事:「アイデアを決めきれないとき」

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